私は仕事柄、自分のお客様以外の方も含めて経営者の方々と接する機会が多いのですが、その経営者の中で、非常に業績のよいお二人の経営者に注目しております。

お二人とも経営する会社の業績は大変良く、不況や逆境も乗り越えて現在に至っています。

お話させて頂くたびになるほど、と思うことがありリスペクトしております。

そのようなお二人に共通することは何か?と考えてみました。それが好業績を実現するヒントになるかもしれない、と考えたからです。

 

  • 視野が広くネットワークが広い

お二人とも、知人友人が多く、かつ積極的に交流を

図られています。知人友人は同業者だけでなく異業種の経営者や大企業の役職者、医療関係者、教育関係者など幅広くいらっしゃいます。

同業種だけでなく異業種あるいは異なる立場の人たちとの交流が視野を広げ、仕事のヒントを得られるようです。

逆にいうと、常に仕事のことを考えヒントを求めているともいえるでしょう。

 

  • 戦略思考

お二人とも、自分が身を置く業界の現状や今後を客観的に見ており、かつ、この先10年にわたっての行く末を常に考えておられます。

現在見られる、感じられる現象から10年先の業界を想像しています。それだけではなく、先を見据えて今何をすべきか?を常に考えているのです。

さらにすごいと思うのは、その「何をすべきか」が非常に具体的なのです。

具体的な行動を積み上げて10年先にたどり着く、そのようなプロセスをしっかり自分の頭の中に構築できているのです。非常に戦略的です。

 

  • 数字に明るく無駄に厳しい

決算書のテクニカルなことはともかくとして、自社の現状を表す数字にとても敏感に反応されます。

企業は最終的には利益を出すことが目的ではありますが、利益を出すためのKPIを明確にご自身の中に持たれています。

KPIをあげるための投資には積極的です。たとえ赤字であっても投資は控えません。

一方で、無駄には非常に厳しく目を光らせています。

昔から存在していてただ発生している経費は許しません。が、将来に向けた投資は積極的に実施し、投資的経費は積極的にかけます。

メリハリが効いているのです。ただの「ケチ」ではないのです。

 

  • 人材育成に熱心

人材育成に非常に熱心です。先に述べた投資あるいは投資的経費の中には人的投資・教育のための投資も含まれますが、こうしたものには積極的にお金をかけます。

人材育成のための投資は、長い目で見る必要があります。すぐに効果が出るものではありません。

会社に体力が必要ですが、逆に、将来の体力のためには「ヒト」を育てる必要があります。

その重要性を強く強く理解されています。

特に中間層の育成、中間層予備軍の底上げに熱心です。

それが会社の維持・継続と発展・成長に必要だからです。

 

  • 仕組み化に熱心

人材育成の一方で、組織として機能するための組織づくりや、仕事の標準化・共通化・効率化のための仕組みなど、あらゆるところで仕組みづくりを常に頭においておられます。

自分だけでなく全体が機能的にあるためには「仕組みづくり」は重要です。

ヒトの個性ややる気に頼るだけでなく、そのインフラあるいはバックヤードを仕組み化して効率的な組織運営を実現しようとされています。

 

どれも経営者として重要なことであり、頭では理解していてもそれを実践することは難しいのもよくわかります。

お二人に共通するパーソナリティは、仕事が大好きで、何事も前向きに楽しく取り組む姿勢です。

発想力も豊かであらゆる角度から物事を見ているので、お話するたびに目からうろこです。

どれかひとつでも自分なりに実践したいと思っています。

 

加藤幸子