信用保証協会が実施している信用補完制度は、多くの中小企業の資金繰りを支える重要な制度であり、特に危機時においては「最後の砦」として機能するものです。その機能を今後も十分に担っていく必要がありますが、一方で信用保証への過度な依存による副作用についての指摘もあり、また同時に、中小企業のライフステージに応じた資金ニーズにきめ細かく対応していないとの声もありました。
そこで去年(2017年)に関係法の改正が有り、今年4月1日から信用補完制度が変わる事になりました。主な改正点は以下になります。
改正点の概要
1. 金融機関と保証協会の連携を通じた中小企業の経営改善・生産性向上
① 信用保証協会の業務に中小企業に対する経営支援を追加するとともに、業務の運営に当っては信用保証協会と金融機関が連携する旨を規定
② 信用保証協会が金融機関の「プロパー融資」の状況や経営支援の方針等を確認しながら保証を実施することにより、「保証付融資」と「プロパー融資」を適切に組み合わせるリスク分担を行う。
2. セーフティネット保証による副作用の抑制と大規模経済危機等への備え
① 大規模な経済危機、災害時の事態に際して、予め適用期限を区切って敏速に発動できる新たなセーフティネットとして危機関連保証を創設
② 既存のセーフティネット保証制度5号(不況業種対象)に付いては、その保証割合(現行100%)を80%にする。
3. 小規模事業者、創業者向け等の支援拡充
① 小規模事業者への支援拡充
・特別小口保険の付帯限度額を拡充(1250万円→2000万円)
② 創業者への支援拡充
・創業関連保証の付保限度額を拡充(1000万円→2000万円)
③ 事業承継の一層の円滑化
・法の認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金(株式取得資金等)を信用保証の対象とする。
詳しくは保証協会のパンフレットをご確認下さい。
原幸雄