参議院選挙も終わり、アベノミクスの次の矢を強化して、経済の活性化を図る事が期待されています。
日本は【図-1】に見られますように人口が大きく減って行く事が確実で、働く人が少なくなり、労働力の減少による消費の後退が避けられない状況です。
厚木市の色々な業種の経営者とお話ししても「従業員を募集しても最近は人が集まらない」と良くお話しをお聞きします。
【図-1:我が国の人口推移】
我が国の人口については、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」における出生中位(死亡中位)推計を基に見てみると、総人口は、2030年(平成42年)の1億1,662万人を経て、2048年(平成60年)には1億人を割って9,913万人となり、2060年(平成72年)には8,674万人になるものと見込まれています。また、生産年齢人口(15~64歳の人口)は2010年(平成22年)の63.8%から減少を続け、2017年(平成29年)には60%台を割った後、2060年(平成72)年には50.9%になるとなるのに対し、高齢人口(65歳以上の人口)は、2010年(平成22年)の2,948万人から、団塊の世代及び第二次ベビーブーム世代が高齢人口に入った後の2042年(平成54年)に3,878万人とピークを迎え、その後は一貫して減少に転じ、2060年(平成72年)には3,464万人になると予想されています。そのため、高齢化率(高齢人口の総人口に対する割合)は2010年(平成22年)の23.0%から、2013年(平成25年)には25.1%で4人に1人を上回り、50年後の2060年(平成72年)には39.9%、すなわち2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています。
この様な現況下、海外からのお客様を迎える「インバウンド」が脚光をあびています。
【図-2】に見られる様に、2015年には、日本から海外に出国する日本人数より、訪日外国人旅行者数が上回りました。
【図-2:訪日外国人旅行者と出国日本人数の推移 2016年1月19日毎日新聞記事より】
政府観光局が19日発表した2015年の訪日外国人観光客数は、前年比47.1%増の1973万7400人で、過去最高だった14年の1341万3467人を大幅に上回り、3年連続で過去最高を更新しました。訪日ビザ(査証)の要件緩和や円安などを受けて、中国などアジアを中心に訪日ブームが続き、1964年の統計開始以降、最大の伸びとなっています。
外国人観光客のさらなる増加に向けた目標や具体策をまとめる「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)で、平成32年までに年間2千万人とする政府目標が年内達成の勢いで、3千万人超に引き上げる為、次の様な具体策への取組みが動き出しています。
- インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
- インバウンド推進の担い手の拡大
- 訪日プロモーションの戦略的拡大、新たな切り口での展開、実施体制の整備
- 効果的なメディア戦略、オールジャパン体制による連携の強化
- ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化
- ビザ要件の戦略的緩和、出入国手続の迅速化・円滑化、外国人長期滞在の促進
- 本邦航空会社による新規路線の開設やLCCの参入
- 世界に通用する魅力ある観光地域づくり
- 地域連携による情報発信力強化と新たな広域周遊ルートの形成
- 地域の魅力を来訪者に体感してもらうための仕組みづくり
- 外国人旅行者の受入環境整備
- 多言語対応の改善・強化
- 無料公衆無線LAN環境の整備促進など、外国人旅行者向け通信環境の改善
- 公共交通機関による快適・円滑な移動のための環境整備
- 「クルーズ100 万人時代」実現のための受入環境の改善
- ムスリムおもてなしプロジェクトの実施
- 「外国人旅行者向け消費税免税制度」の拡充、決済環境の整備
- 外国人旅行者の安全・安心確保、
- 多様な滞在ニーズへの対応と宿泊施設の情報提供の充実、観光産業の人材育成
この様な国の動きに対して我が「あつぎ」も地域活性化の一つとして「インバウンド」の呼び込みを期待する声が聞かれます。しかし個々のお店での対応は難しく、地域の関係機関が一つになっての「地域」としての取組みが期待されています。
原 幸雄