当会が本拠としている厚木市について、様々な角度から見てみたいと思う。

まずは、観光から…

【集客力第1位は】

8月は年間を通じて厚木市最大のイベントである「鮎祭り」が行われる。例年8月の第一週の土日曜日の2日間行われるが、何といってもハイライトは相模川の河川敷で行われる花火大会となる。1万発の花火が打ち上げられ、例年多くの見物客が訪れるが、昨年は53万人の来場者があったという。

カドカワWalkerの「関東の花火大会調査」によると

人出 10位
行ってみたい 8位
行ってよかった 9位

と、関東地区でも人気が高いことがうかがわれる。

後述のように、市内への年間の観光客数が300万人超であるので、この花火大会だけで市外からの訪問客のかなりの比重を占めている。ちなみに、「鮎祭り」全体では、70万人超の人出となっている。

 

【県内における位置づけ】

横浜、箱根、鎌倉といったわが国でも有数の観光地を抱える神奈川県において、厚木市の位置づけはどうなるかというと…

観光客数と観光客消費額

 

観光客数・消費額とも県内では優位にあるわけではないが、下記の表のとおり客数は安定しており、消費額については飛躍的な伸びを示しており、観光客数のわりには、消費額の比率が高いというのが特徴となっている。

また、観光に来て宿泊する比率も10%を超えており他の地域に比べ高いことがわかる。

 

【厚木市観光の傾向】

厚木市の観光客数及び消費額推移(単位 千人・百万円)
区分 H19年  H21年  H22年  H23年  H24年  H25年  H26年  H27年
延観光客数 3,208 3,579  3,800  3,092  3,247 3,200  3,119  3,387
宿泊客数 312 222  303  324  340 342 337
日帰り客数 2,896 3,357  3,497  2,768  2,908 2,858 2,782
消費額 3,202 4,632  13,924  12,030  12,172  15,773 15,537  23,200

観光客数は、平成22年に「第5回B-1グランプリin厚木」が開催されたことにより過去最高の380万人になった。また消費額も、平成22年に前年の約3倍と飛躍的に急増し、その後も伸びを維持、持続させている。

経営よもやま話004_2

次に、消費額の内訳をみてみたい(「B-1グランプリ」前の平成21年と平成26年調査の比較)

経営よもやま話004_3

5年の間に、消費額は大きく伸びたわけであるが、きっかけとしては前述のように、平成22年の「B-1グランプリ」開催の影響が大である。平成21年と22年とでは

・観光客宿泊費…1,651百万円 → 2,639百万円  1.6倍

・飲食費   …2,962百万円 → 7,228百万円  2.4倍

・その他消費額…   19百万円 → 4,057百万円   214倍

・合計    …4,632百万円 → 13,924百万円     3倍

平成22年に大きな変動をしている。

金額的に大きいのは「飲食費」の伸びであるが、「その他消費額」が際立って比率を大きく伸ばしていて、その後貢献していることがわかる。

厚木独自の商品が、一気に認知度を高めたということだろう。

 

次に、年間(平成26年)を通してみた変動をみてみたい。

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冒頭に述べたように、8月の鮎祭りがひときわとびぬけていて、次が4月の桜祭りとなっている。

8月が約88万人、4月は約43万人と2ヶ月で全体の42%を占めている。
「厚木市の産業を考える<2>」に続く

首藤潤治