前回に引き続き、平成28年6月に発表された商業統計調査(平成26年7月1日現在)に基づき各地域別の小売業の動向を見たいと思う。

【売場面積を見る】
神奈川県全体の売り場面積合計は、667万6309平方メートルで、前回調査(平成19年)と比べ6万3770平方メートル減と約9%の減少となっている。
左欄の順位は、売り場面積の順位となっている。

各市とも、事業所数・売り場面積の減少がみられるが、海老名市のみ売り場面積がわずかながら増加している。
上記表から、各地域(横浜、川崎、相模原市については各区)の一事業所当たりの売り場面積を大きい順に並べてみる。

時系列で比較すると、概ね一事業所当たりの売り場面積は増加していることがわかる。
前回調査時より売り場面積全体は減少しているが、一事業所あたりは増加しており、事業所の淘汰と大規模化が進んでいることがわかる。特に、平成16年~19年の綾瀬市、平成19年~26年の座間市については大規模店舗の開業が大きく影響しているものと思われる。
厚木市については、増加はみられるものの他地域に比べ規模の伸びが減少傾向となっている。隣接する海老名市は、横浜市の主要地区に続く位置につけており、大規模店舗主体の商業構造になっていることがわかる。

【売り場面積の推移と集客力の変化を見る】
 本稿の最後に、平成16年~19年までと平成19~26年までの厚木市及び近隣の自治体の小売業売場面積(市全体)の推移と、最終年度の集客力をプロットした表を作成し、各市の変化を見る。

相模原市と大和市の売り場面積は対象年度で増加。厚木市は、近隣地域の中で落ち込みが大きいものの、集客力はまだトップである。


各地域で売り場面積は、大きく落ち込むが、海老名市のみ若干プラスとなり、同時に集客力が厚木市を抜きトップになる。
厚木市は、売り場面積の落ち込みが最大(10%減)となり、それにつれて集客力も低下。

次回は、小売商業の最後として、商業集積(繁華街)の現状を見たいと思う。

首藤潤治